アルミダイカスト ヒートシンクの軽量化事例|フィン薄肉化とHT-1材活用

フィン薄肉化で実現する軽量化事例|HT-1材による高熱伝導製品

ご要望:形状変更なしでのヒートシンク軽量化(アルミダイカスト製品)

本事例は、アルミダイカスト製品の軽量化をご希望されたお客様からのご相談です。 「製品をできるだけ軽くしたい」というご要望がある一方で、基本的な外形や取付寸法などの形状は変更できないという条件がありました。

アルミダイカストとは、溶融したアルミニウム合金を金型に高圧で注入し、精密な形状を成形する鋳造方法です。 寸法精度に優れ、量産性が高いという特長がありますが、既存金型を大きく変更せずに軽量化を図るには高度な設計検討が必要となります。

提案内容:ヒートシンク フィンの薄肉化による軽量化

着目したのは、ヒートシンクの放熱機能を担うフィン部分の肉厚です。フィンとは、熱を効率よく空気中へ逃がすために設けられる板状の突起部であり、アルミダイカスト製品ではよく採用される構造です。 本製品では、ヒートシンクのフィン先端の厚みを1mmまで薄肉化することで、全体重量の削減を実現しました。

ただし、アルミダイカストにおける薄肉化は容易ではありません。 肉厚を薄くしすぎると、溶湯(溶かしたアルミ合金)が金型内の隅々まで行き渡らず、充填不良(ショートショット)や強度低下を引き起こす可能性があります。 そのため、流動解析や試作検証を重ね、最適な肉厚設計を行いました。

材質:HT-1(高熱伝導・高流動性材)

今回採用した材質はHT-1です。HT-1はアルミダイカスト用合金の中でも、特に以下の特長を持つ材料です。

  • 高い熱伝導率:熱を効率よく伝える性質があり、放熱性能が求められる製品に最適
  • 優れた流動性:溶融時に流れやすく、薄肉部でも安定した充填が可能

流動性とは、溶けた金属がどれだけスムーズに金型内を流れるかを示す性質です。 今回のようにフィン先端1mmという薄肉形状では、流動性の良さが品質安定の鍵となります。 HT-1の採用により、薄肉化と鋳造品質の両立を実現しました。

成果:形状維持で軽量化を達成

基本形状や取付条件を変更することなく、ヒートシンクのフィンの薄肉化によってアルミダイカスト製品の軽量化を実現しました。 金型の大幅な改修を避けながら対応できたため、コスト増加を抑えつつスムーズな量産移行が可能となりました。

アルミダイカストにおける軽量化は、材料特性・金型設計・鋳造条件の最適化が重要です。 当社では、材質選定から設計改善まで一貫して対応し、制約条件下でも最適な軽量化提案を行っています。

条件下でも最適な軽量化提案を行っています。

企業情報

薄肉アルミダイカストなら株式会社ヤサカ