町工場の自動化 効率化 省人化
多くの町工場が 人手不足で悩んでいます。多くの若者は中小企業ではなく大手企業への就職を希望し、今後少子化により更に労働力は減少していきます。また、せっかく人材会社に大金を払って人材を獲得しても、すぐに辞めてしまうことも少なくありません。町工場にとって人手不足は最も大きな課題の一つといえます。
その町工場の人材不足の解決方法の一つとして生産工程などの自動化、省力化、IT化により効率を上げることで、同じ時間に生産できる数量を多くしたり、少ない人数で生産できる体制を作り、これまでよりも少ない人数で同じ数量を生産できる体制をつくると(省人化)いったことがあげられます。
しかし、町工場ではなかなか自動化・省力化が進まず、これまで通り人の手で生産し続けている会社が多いのではないでしょうか。
この記事では、町工場の省力化について考えます。
なぜ町工場では省力化が進まないのか
単品小ロットの仕事が多い
同じ作業が大量にあると省力化・効率化しやすいのですが、毎回違う仕事が入る場合は効率化が難しくなります。
マニュアル化ができていない
仕事の内容は上司や先輩から後輩に、身振り手振りと口伝えで教えられることが多く、作業マニュアルがないことも少なくありません。また、作業者によって作業手順が違うこともあります。
時間や人手、設備の不足
省力化するには作業効率を見直す、マニュアルを作成する、省力化の設備を導入するといっ作業が必要となります。しかし、町工場では日々の作業に追われこういった活動に十分時間が取れないことも多いようです。
しかしそういった中でも効率化・省人化がうまくいっている町工場もあります。
町工場が省人化を進める方法
技術の導入
自動化技術やロボット技術を導入して、人の手を必要とする工程を減らすことが基本です。初期投資は必要ですが、長期的には労働コストを削減し、生産効率を向上させることができます。また、ロボットであれば急にやめたり休んだりすることもありません。
製造工程の最適化
既存の製造プロセスを見直し、無駄な工程を省き、より効率的な流れを作ることで、人手に依存する部分を減らすことができます。この場合、なるべく効果の高いところから手を付けるべきです。
デジタル化とデータ分析
生産工程のデータをデジタル化し、そのデータを分析することで、生産プロセスのボトルネックや改善点を明らかにします。
経営者・社員の理解と教育
将来的には効率的になる仕組みも、導入には費用が発生し、新しいことをたくさん覚えることが必要です。短期的に見ると今のやり方のほうが効率的に思えてしまい、導入が頓挫してしまうことも少なくありません。なぜ省人化が必要なのか、省人化することでどのようなメリットがあるのか、経営者と社員がしっかり理解して取り組むことが必要です。
また、一度に大きな目標を作ってしまうと効果が出始めるまでに時間がかかり、「効果が出ないじゃないか」と思ってしまうことも多いでしょう。まずは少しでも効果ができることから手を付けて、小さな成功を積み重ねていくことが必要です。
外部のリソース活用
すべてを自社で行う必要はありません。自治体や商工会議所が無料や低価格で相談に乗ってくれることもあります。また、特定の工程や機能を外部の専門業者に外注することで、社内に余計な人員や作業を増やすことなく効率的進めることが可能になります。
持続可能な投資計画
省人化には初期投資が必要ですが、無理な投資は避けましょう。良くないのは初期に大きな費用を投資して、その後の運用に費用をかけないことです。なるべく初期投資を抑え、持続可能な継続的な投資が必要です。
町工場の省人化事例
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