金属加工とは?

金属加工とは

金属加工金属加工とは、金属材料を用いて、さまざまな形状や機能を持つ部品や製品を製作する技術のことを指します。金属加工では、金属を切ったり、曲げたり、削ったり、くっつけたり、変形させたりすることで、特定の形状や寸法に仕上げます。

金属加工の分類

金属加工には様々な方法があります。種類が多い上、様々な切り口があるため、どう分類するか、どこまで細かく分けるかはとても難しい判断です。主な金属加工の方法を以下のように分類してみましたが、今後変更する可能性が高いです。よくご存じの方はぜひご指摘ください。

除去加工

切ったり、削ったり、溶かしたりすることで不要な部分を除去し、目的の形にする

切削加工旋盤フライス盤ボール盤マシニングセンタ
研削加工
溶断加工
レーザー加工
プラズマ加工
放電加工・ワイヤーカット
ねじ切り

成形・変形

形を変形させる加工

曲げ加工
打ち抜き
圧延
転造
鍛造
鋳造・射出成形(砂型・ダイカスト)
金属3Dプリンター・粉末冶金

金属接合

くっつける加工

溶接・金属接着
機械的接合
ロウ付け
性質を変える 熱処理(焼結、焼入れ・焼戻し)
腐食
表面処理 めっき
アルマイト
塗装
研磨

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金属加工の材料

金属加工に使われる主な材料には、さまざまな種類の金属や合金があります。以下は、よく使われる金属材料の一部です。

鉄鋼(スチール)

鉄と炭素を主成分とした合金で、鉄鋼はさらに多くの種類に分けられます。たとえば、次のようなものがあります:

  • 炭素鋼: 炭素を主な添加元素とする鋼。強度が高く、加工しやすい。
  • ステンレス鋼: クロムを添加して錆びにくくした鋼。耐食性があり、食品機器や建材などに使用されます。
  • 工具鋼: 切削工具や金型の材料に使われる高硬度の鋼。

アルミニウム

軽量で耐食性に優れているため、航空機や自動車、電子機器など幅広い分野で使用されます。また、アルミニウム合金として銅やマグネシウムなどを添加したものもあります。

高い導電性と耐食性を持つため、電線や電気部品、配管材料として利用されます。また、銅合金には以下のようなものがあります:

  • 黄銅(真鍮): 銅と亜鉛の合金。美しい色合いと加工のしやすさから、装飾品や機械部品に使用されます。
  • 青銅: 銅とスズの合金で、機械的強度と耐摩耗性に優れています。

チタン

軽くて強度が高く、耐食性にも優れています。医療機器や航空宇宙産業、スポーツ用品などに使用されます。

ニッケル合金

高温や化学的腐食に耐える性質を持っており、ガスタービンや化学プラントなど過酷な環境で使用されます。

マグネシウム合金

非常に軽量であり、特に自動車や電子機器の部品に適しています。ただし、加工が難しい点や燃えやすい点に注意が必要です。

亜鉛合金

コストが安く、比較的加工しやすいため、小さな部品やダイカスト部品として使われることが多いです。

これらの材料は、目的や用途に応じて選ばれ、加工方法によっても適した材料が異なります。それぞれの金属の特性を理解し、適切な選択をすることが金属加工の重要なポイントです。

鉄と非鉄金属の違いは?

金属はよく「鉄」と「非鉄金属」に分類されます。その違いは、基本的に鉄(Fe)を主成分とするかどうかで区別されます。

鉄(鉄鋼材料)

鉄を主成分とする金属材料で、一般的には以下のようなものが含まれます:

  • 炭素鋼: 鉄に炭素を加えたもので、最も一般的な鋼材です。
  • 合金鋼: 鉄にクロム、ニッケル、マンガンなどの元素を加えたもの。
  • ステンレス鋼: クロムを多く含み、耐食性が高い鋼。

特徴:

  • 強度や硬度が高く、構造材としての用途が広い。
  • 加工のしやすさがあり、溶接や切削、曲げ加工などに適している。
  • 重量が比較的重い(密度が高い)。
  • 酸素や湿気と反応して錆びやすいが、ステンレスなどは耐食性を持つ。

非鉄金属

鉄以外の金属材料を総称して「非鉄金属」と呼びます。代表的な非鉄金属には以下のようなものがあります:

  • アルミニウム: 軽くて耐食性が高い。
  • 銅: 導電性や熱伝導性が優れている。
  • チタン: 軽量で強度が高く、耐食性が高い。
  • マグネシウム: きわめて軽量で、合金として利用される。
  • ニッケルや亜鉛なども含まれます。

特徴:

  • 一般的に軽量で、鉄よりも密度が低い金属が多い。
  • 耐食性に優れたものが多く、錆びにくい。
  • 熱や電気の伝導性が高いものが多い(特に銅など)。
  • 柔らかく加工しやすいものが多い一方で、特定の用途に合わせた特性を持つ合金も多く存在する。

まとめ

  • 鉄: 主成分が鉄の金属(鉄鋼材料)。強度が高く、構造材や機械部品に多く使用される。
  • 非鉄金属: 鉄以外の金属。軽量で耐食性や導電性が高いものが多く、さまざまな用途に使用される。

鉄と非鉄の選択は、製品の用途や特性に応じて行われ、どちらも産業界で重要な役割を果たしています。

金属加工に使われる設備

金属加工に使われる設備は、その加工方法や工程に応じてさまざまな種類があります。

切削加工設備 レーザー加工

切削加工設備

  • 旋盤(せんばん): 円筒形の部品を加工するために使われ、金属を回転させながら切削工具で削ります。
  • フライス盤: 主に平面を削るための機械で、さまざまな形状や溝を加工できます。
  • ボール盤: 穴あけ加工に使用され、ドリルビットを回転させて金属に穴をあけます。
  • マシニングセンタ: 複数の切削作業を自動で行う工作機械で、CNC(数値制御)技術を用いて高精度の加工が可能です。

研削加工設備

  • 平面研削盤: 平らな表面を高精度で仕上げるための機械です。
  • 円筒研削盤: 円筒形の部品の外径や内径を研削するために使用されます。
  • 工具研削盤: ドリルやエンドミルなどの切削工具を再研磨するための機械です。

プレス加工設備

  • 油圧プレス: 油圧の力を利用して、金属を打ち抜いたり曲げたりする機械です。大きな力を加えることができます。
  • メカニカルプレス: 機械的な駆動力を利用して、板金の打ち抜きや成形を行います。
  • ベンディングマシン: 板金を折り曲げるための設備です。

鍛造加工設備

  • ハンマーフォージングマシン: 金属を叩いて成形する設備で、大きな衝撃を与えることで形状を作ります。
  • プレスフォージングマシン: 圧力を加えて金属を変形させる設備です。

溶接加工設備

  • アーク溶接機: 電気アークを利用して金属を溶かしながら接合します。
  • スポット溶接機: 薄い金属板を接合するのに適しており、自動車の車体製造などで多用されます。
  • TIG溶接機・MIG溶接機: 精密な溶接が可能で、アルミニウムやステンレスなどの金属を接合する際に使用されます。

鋳造加工設備

  • 溶解炉: 金属を溶かして液体にするための設備で、鋳造用の合金を作成します。
  • 鋳型製造設備: 砂や金型を用いて、鋳造品の形状を決めるための型を作る設備です。
  • ダイカストマシン: 高圧で溶けた金属を型に流し込み、冷却して製品を成形します。

表面処理加工設備

  • メッキ装置: 電解メッキや無電解メッキを施し、金属の表面に別の金属層を付着させるための設備。
  • 塗装設備: 金属の表面に塗料を吹き付けて防錆や美観を向上させます。
  • ショットブラスト機: 金属表面に細かな研磨材を噴射し、表面をきれいに仕上げます。

レーザー加工設備

  • レーザー切断機: レーザーを使用して金属を高精度で切断する設備です。
  • レーザー彫刻機: 金属の表面に文字や模様を彫刻するために使われます。

CNC(コンピュータ数値制御)設備

  • CNC旋盤・CNCフライス盤: コンピュータによって操作される工作機械で、自動化された高精度の切削加工が可能です。
  • CNC放電加工機: 電極を使って金属を放電によって加工する設備。硬い金属や複雑な形状に使用されます。

これらの設備は、目的や製品の特性に応じて選ばれ、金属加工のプロセス全体を支える重要な役割を果たしています。

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除去加工

切ったり、削ったり、溶かしたりすることで不要な部分を除去し、目的の形にする

機械加工、切削(旋盤、フライス、ボール盤、マシニングセンタ
研削
溶断
レーザー加工
プラズマ加工
放電加工・ワイヤーカット
ねじ切り

成形・変形

形を変形させる加工

曲げ、板金加工プレス加工
打ち抜き
圧延
転造
鍛造
鋳造・射出成形(砂型・ダイカスト)
金属3Dプリンター・粉末冶金

付加加工

くっつける加工

溶接・接着
接合
ロウ付け
性質を変える 熱処理(焼結、焼入れ・焼戻し)
腐食
表面処理 めっき
アルマイト
塗装
研磨
その他 製缶加工その他加工