ワイヤーカット放電加工とは

ワイヤーカット放電加工とは?種類や特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説!

放電加工とは?

放電加工(Electrical Discharge Machining, EDM)とは、電気エネルギーを利用して金属を削る加工方法です。電極と被加工材の間に電圧をかけ、放電による熱で材料を溶融・蒸発させながら加工します。

特に、硬い金属や複雑な形状の加工が得意で、金型や精密部品の製造に広く活用されています。放電加工には、大きく分けて3種類の加工方法があります。

1. 型彫り放電加工(ダイ放電加工)

特徴

電極を材料に押し当て、放電で削る加工

電極の形状がそのまま材料に転写される

切削加工では難しい複雑な3D形状の加工が可能

仕組み

  • 導電性のある材料(鉄、ステンレス、超硬合金など)に、**電極(銅・グラファイト など)**を近づけ、放電を発生させる
  • 放電による熱で材料を溶かしながら、電極と同じ形状を被加工材に転写する

用途

🔹 金型加工(射出成形・鍛造・プレス金型 など)

🔹 航空機・自動車・医療機器の精密部品加工

🔹 細かい彫刻・溝加工

電極の製作が必要なため、コストがかかる


2. ワイヤーカット放電加工(WEDM)

特徴

細いワイヤーを電極として使い、放電で切断する加工

高精度な直線・曲線カットが可能

硬い金属でも精密に切断できる

仕組み

  • 直径0.02~0.3mmのワイヤー(通常は真鍮製)を電極として使用
  • ワイヤーと材料の間で放電を発生させ、金属を溶かしながら切断
  • ワイヤーは使い捨てで、加工中に巻き取られながら新しい部分が供給される

用途

🔹 精密部品の切断(航空機・医療機器・電子部品)

🔹 金型の細かい部分の加工

🔹 超硬合金・チタン・焼入れ鋼などの難削材の切断

導電性のある材料しか加工できない(プラスチック・セラミックスは不可)


3. 微細放電加工(ドリリング放電加工)

特徴

極細電極を使って、微細な穴を開ける加工

ミクロン単位の精密な穴あけが可能

従来のドリル加工では難しい硬い材料にも対応

仕組み

  • 直径0.02〜0.3mmの電極を使用し、放電で穴を開ける
  • 金属に接触せず、摩耗や工具破損がないため、精密な穴あけが可能

用途

🔹 燃料噴射ノズルの微細穴加工(自動車・航空機部品)

🔹 医療機器の精密加工(ステント・カテーテル など)

🔹 電子部品・半導体の微細加工

加工速度が遅い

放電加工の種類

放電加工の種類 特徴 主な用途
型彫り放電加工 電極の形状を転写 金型加工・複雑な形状加工
ワイヤーカット放電加工 細いワイヤーで切断 精密部品・難削材の加工
微細放電加工 微細な穴あけが可能 航空機・医療・電子部品

まとめ

放電加工には、型彫り放電加工・ワイヤーカット放電加工・微細放電加工の3種類があります。

  • 金型や3D形状の加工 → 型彫り放電加工
  • 精密な直線・曲線カット → ワイヤーカット放電加工
  • 微細な穴あけ → 微細放電加工

「硬い金属を精密に加工したい!」

そんな場合は、放電加工の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

ワイヤーカット放電加工とは

放電加工の中でも特によく使われるワイヤーカット放電加工について詳しくご紹介します。

ワイヤーカット放電加工(Wire Electrical Discharge Machining)とは、細い金属線(ワイヤー)を電極として使い、放電を利用して金属を精密に切断する加工方法です。特に硬い金属や複雑な形状の加工に適しており、金型製作や精密部品の加工に広く活用されています。


ワイヤーカット放電加工の仕組み

ワイヤーカット放電加工は、電極(ワイヤー)と被加工材の間に放電を発生させ、その熱エネルギーで金属を溶融・蒸発させて加工を行います。

基本的な加工の流れ

  1. ワイヤー電極を張る
    • 直径0.02~0.3mm程度の細いワイヤーを使用。
  2. 加工液(絶縁液)の中でワイヤーを移動させる
    • 放電加工専用の液体(通常は純水や加工油)を使用。
  3. ワイヤーと材料の間で放電を発生
    • 放電の熱で金属を溶かしながら切断。
  4. 連続的に放電を繰り返しながらワイヤーを移動し、精密な加工を実現

ワイヤー自体は使い捨てで、加工中に巻き取られながら新しいワイヤーが供給されます。


ワイヤーカット放電加工の特徴

非接触加工のため、工具摩耗がない

硬い金属や難削材も高精度に加工できる(超硬合金・チタン・インコネル など)

微細加工や複雑な形状の加工が可能

切削力がかからず、薄い材料や細かい部分の加工に最適

加工速度が遅い(切削加工よりも時間がかかる)

導電性のある材料しか加工できない(樹脂やセラミックスは不可)

加工液によるサビや汚れのリスクがある


ワイヤーカット放電加工の用途

  • 金型加工(プレス金型・射出成形金型 など)
  • 精密機械部品の製作(航空宇宙・医療機器・電子部品)
  • 硬質材料の切断(超硬合金・ステンレス・焼入れ鋼)
  • 微細加工・複雑形状の加工(細かい溝・内角・ギア など)

ワイヤーカットとレーザー・プラズマ加工の違い

比較項目 ワイヤーカット放電加工 レーザー加工 プラズマ加工
加工精度 非常に高い 高い 普通
加工速度 遅い 速い 速い
加工可能な材料 導電性があるもののみ 金属・樹脂など幅広い 金属中心
熱影響 ほぼなし 小さい 大きい
コスト 高め 中程度 低い

→ 高精度な金属加工にはワイヤーカットが最適!


まとめ

ワイヤーカット放電加工は、放電を利用して硬い金属を精密に切断できる加工技術です。特に金型や精密部品の製作に向いており、微細加工や複雑な形状の加工にも対応できます。

「硬い金属を高精度に加工したい!」

そんな場合は、ワイヤーカット放電加工を検討してみてはいかがでしょうか?