フライス盤加工とは

フライス盤加工とは?仕組みや種類、用途をわかりやすく解説!

フライス盤加工とは、回転する刃物(フライス)を使って材料を削り、平面・溝・曲面などの形状を作る加工方法です。金型や精密機械部品の製造に欠かせない技術で、旋盤加工が円筒形の加工に特化しているのに対し、フライス盤加工は平面や立体的な形状を削り出すのが得意です。

フライス盤加工の仕組み

  1. 材料(ワーク)をテーブルに固定する
  2. 回転する刃物(フライス)を使って、材料を削る
  3. テーブルや刃物を移動させ、目的の形状に加工する

→ 旋盤と違い、材料は回転せず、刃物が回転するのが特徴!

フライス盤加工の種類

1. 平面加工

材料の表面を削り、平らに仕上げる

金型や機械部品の基準面加工に最適

【用途】

  • 精密部品の仕上げ
  • 金型の基準面加工

2. 溝加工

材料に溝を彫る加工

ボルト・ナットの溝、キー溝、T溝などの加工に使用

【用途】

  • ギアの溝加工
  • シャフトのキー溝

3. 斜面・曲面加工

刃物を斜めに動かし、斜面や曲面を削る加工

3D形状の部品や工具の成形に使用

【用途】

  • 航空機・自動車の部品加工
  • 工具の刃先形状の加工

4. 歯切り加工(ギア加工)

専用のフライスを使い、歯車やスプロケットを削り出す

【用途】

  • ギアや歯車の製造

フライス盤の種類

1. 立てフライス盤(縦型)

刃物が上下方向(縦軸)に回転するタイプ

精密な平面加工や溝加工に最適

【用途】

  • 一般的な精密部品加工

2. 横フライス盤(横型)

刃物が水平方向(横軸)に回転するタイプ

重切削に向いており、大型の部品加工に使用

【用途】

  • 自動車・産業機械の部品製造

3. NCフライス盤(数値制御)

コンピュータ制御で自動加工が可能

高精度で複雑な形状の加工が可能

【用途】

  • 精密機械・航空機部品・医療機器の製造

フライス盤加工のメリット・デメリット

メリット

平面・溝・曲面など、多様な形状が加工できる

高精度な仕上げが可能

金属・プラスチック・木材など幅広い材料に対応

デメリット

円筒形の加工には不向き(旋盤のほうが適している)

手作業のフライス盤は熟練技術が必要

フライス盤加工と他の加工方法の違い

加工方法 特徴 得意な形状 主な用途
フライス盤加工 刃物が回転し、材料を移動させながら削る 平面・溝・曲面 金型・精密部品
旋盤加工 材料が回転し、刃物で削る 円筒・円錐・ねじ シャフト・パイプ
ボール盤加工 ドリルで穴を開ける 穴(ドリル穴・ねじ穴) ボルト・ナット用の穴あけ
マシニングセンタ加工 CNC制御で自動加工 複雑形状・3D加工 航空機・自動車部品

フライス盤加工の主な用途

金型加工(プレス金型・射出成形金型)

機械部品(ギア・シャフト・カム)

航空機・自動車部品(アルミ部品・エンジン部品)

まとめ

フライス盤加工は、回転する刃物(フライス)で材料を削る加工方法で、平面・溝・曲面・歯車など多様な形状を作るのが得意です。

平面・溝加工 → フライス盤

円筒・ねじ加工 → 旋盤

穴あけ → ボール盤

自動化・複雑形状 → マシニングセンタ

「精密な平面加工や溝加工をしたい!」

そんな場合は、フライス盤加工を検討してみましょう!