板ばね とは

板ばねとは?種類や特徴、用途をわかりやすく解説!

板ばねとは、薄い金属板を利用したばねのことで、力を加えると弾性変形し、元の形状に戻ろうとする性質を持っています。コイルばねとは異なり、平らな形状をしているのが特徴です。

車両のサスペンション、スイッチ、工具、産業機械など幅広い用途で使われており、衝撃吸収や振動制御にも優れています。

板ばねの種類と用途

板ばねは形状や機能によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの特徴と用途を見ていきましょう。

① 渦巻きばね(スパイラルスプリング)

  • 特徴:薄い金属板を渦巻き状に巻いたばねで、トルクを発生させる
  • 用途:メジャー(巻尺)、ゼンマイ式時計、バネ式リール

② 片持ちばね(カンチレバーばね)

  • 特徴:片側が固定され、もう片側が自由に動く構造
  • 用途:スイッチの接点、リレー、測定機器

③ 板ばね式サスペンション(リーフスプリング)

  • 特徴:複数の板ばねを重ね合わせ、衝撃や振動を吸収
  • 用途:トラックやバスのサスペンション、鉄道車両

④ 円板ばね(ディスクスプリング)

  • 特徴:円盤状のばねで、強い荷重を小さいスペースで受けることが可能
  • 用途:クラッチ機構、バルブ、ボルトの緩み防止

板ばねの材料と特性

板ばねの性能は使用する材料によって大きく変わります。以下のような材料がよく使われます。

主な材料

材料 特徴 用途
ピアノ線(SWP) 高強度・耐久性が高い 渦巻きばね、精密機器
ステンレス鋼(SUS304など) 耐食性が高く、錆びにくい 医療機器、食品加工機械
ばね鋼(SUP10など) 高弾性で繰り返し荷重に強い 自動車サスペンション、産業機械

板ばねのメリット・デメリット

メリット

コンパクト設計が可能 → コイルばねより省スペースで取り付けられる

荷重分散が可能 → リーフスプリングのように均等に力を分散できる

耐久性が高い → 長期間の使用でも劣化しにくい

デメリット

変形しすぎると破損する → 設計時に荷重限界を考慮する必要あり

加工が難しい場合がある → 精密な形状にするには特殊な製造技術が必要

板ばねの設計のポイント

板ばねを設計する際は、以下の点に注意する必要があります。

  1. 荷重と変形量のバランス → 必要な弾性と耐久性を考慮
  2. 材料選定 → 環境や使用条件に合った材料を選ぶ
  3. 疲労強度の確認 → 長期間の使用で破損しないか解析する

特に産業用機械や自動車部品では、「疲労破壊」を防ぐために適切な設計が求められます。

まとめ

板ばねは、コイルばねと並ぶ重要なばねの一種で、特にコンパクトな機械部品や衝撃吸収が求められる場面で活躍します。用途に応じて適切な種類や材料を選ぶことで、長寿命で高性能なばねを作ることができます。

製造業や機械設計の現場では、板ばねの特性を理解して最適な活用をしましょう!