渦巻きばね・ゼンマイばね とは

渦巻きばね・ゼンマイばね とは?特徴や用途、メリットをわかりやすく解説!

渦巻きばね(スパイラルスプリング、Spiral Spring)・ゼンマイばね(フラットスパイラルスプリング、Flat spiral springs)とは、帯状の金属を渦巻き状に巻いたばねのことを指します。

主に回転運動のエネルギーを蓄えたり放出したりする
用途で使われ、時計や巻尺(メジャー)、自動車部品などに幅広く使用されています。

渦巻きばねの仕組みと特徴

渦巻きばねは、巻かれた金属の帯がねじれながら変形し、元の形に戻ろうとする力を利用してエネルギーを供給します。

コイルばね(圧縮ばね・引張ばね)とは異なり、**回転方向の力(トルク)**を発生させるのが大きな特徴です。

ポイント

  • 回転運動に適したばね(トルクを発生)
  • コンパクトな設計が可能(省スペースで使用可能)
  • 蓄えたエネルギーを滑らかに放出できる

渦巻きばねの用途

渦巻きばねは、回転運動を利用するさまざまな分野で使われています。

① ゼンマイ機構(エネルギー蓄積・放出)

  • 特徴:ばねを巻くことでエネルギーを蓄え、ゆっくり放出できる
  • 用途:ゼンマイ時計、おもちゃ、手巻き式発電機

② 巻尺(メジャー)

  • 特徴:ばねの力で自動的に巻き取ることができる
  • 用途:建築用メジャー、測定器具

③ 自動車や産業機械のばね

  • 特徴:ドアやシャッターの開閉を補助する力を発生
  • 用途:自動車のシートベルト巻取り機構、ガレージシャッター

渦巻きばねのメリット・デメリット

メリット

コンパクトで省スペース設計が可能 → 小さな機器にも組み込みやすい

安定したトルクを発生 → 滑らかにエネルギーを放出できる

長寿命で耐久性が高い → 摩耗しにくく、繰り返し使用が可能

デメリット

ねじりすぎると破損のリスク → 設計時に限界トルクを考慮する必要あり

ばね特性の調整が難しい → 設計や製造に精密な加工技術が必要

渦巻きばねの設計ポイント

渦巻きばねを設計する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 適切な材質の選定(高強度のばね鋼やステンレス鋼を使用)
  2. 使用環境を考慮(温度や摩耗による劣化を防ぐ対策)
  3. トルクと荷重の計算(必要な力を発生させるための設計)

特に、時計や測定機器では高精度なばね設計が求められるため、材料選定や加工技術が重要になります。

まとめ

渦巻きばねは、回転運動のエネルギーを効率よく蓄え・放出するばねであり、ゼンマイ機構や巻尺、自動車部品などに広く使用されています。

トルクを発生させるばねが必要な場合に最適

省スペースでエネルギーを蓄えられる

製造業や機械設計の分野では、渦巻きばねの特性を理解し、最適な活用を検討しましょう!