トーションバー とは

トーションバーとは?仕組みや用途、メリットをわかりやすく解説!

**トーションバー(Torsion Bar)**とは、ねじりの力(トルク)を利用して弾性エネルギーを蓄える棒状のばねです。

コイルばねや板ばねと異なり、棒そのものがねじれることで衝撃を吸収する仕組みになっています。

主に自動車のサスペンションや工作機械、建築構造などで使われ、特に耐久性が求められる分野で活躍しています。

トーションバーの仕組み

トーションバーは、一方の端を固定し、もう一方に**ねじり力(トルク)**を加えることで弾性変形します。

その後、元の形状に戻ろうとする力を利用して、衝撃吸収やサスペンションの働きを担います。

ポイント

  • 軸の長さや直径で剛性が決まる(長いほど柔らかく、短いほど硬い)
  • コンパクトな構造で大きな力を支えられる

トーションバーの用途

トーションバーは、その特性を活かしてさまざまな分野で使われています。

① 自動車のサスペンション

  • 特徴:コイルばねの代わりに、前後輪のサスペンションに使用
  • 用途:トラック、オフロード車、高級車の足回り

② 工作機械・産業機器

  • 特徴:回転力を利用しながら衝撃を吸収
  • 用途:プレス機、建設機械、精密機械の振動吸収装置

③ 航空・軍事分野

  • 特徴:軽量かつ高剛性で振動を抑制
  • 用途:戦車のサスペンション、航空機の着陸装置

トーションバーのメリット・デメリット

メリット

コンパクトな設計が可能 → コイルばねより省スペースで設計できる

耐久性が高い → 金属疲労に強く、長期間の使用に適する

剛性の調整が容易 → 軸の長さや直径を変えることで特性を調整可能

デメリット

ねじれすぎると破損のリスク → 限界を超えた負荷には弱い

大きな変形には不向き → 変形量が大きい場合はコイルばねのほうが適している

トーションバーの設計ポイント

トーションバーを設計する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 適切な材質の選定(高強度合金鋼など)
  2. ねじり強度と疲労限界の計算(長期間の使用に耐えられるか)
  3. 取付方法の最適化(固定部の剛性確保が重要)

特に自動車や航空機では、安全性を確保するために入念な設計が求められます。

まとめ

トーションバーは、ねじりの力を利用する棒状のばねで、特に自動車のサスペンションや産業機械で重要な役割を果たしています。

コイルばねと比較してコンパクトで耐久性が高く、剛性の調整がしやすいという特長があり、幅広い分野で活用されています。

機械設計や自動車業界に関わる方は、トーションバーの特性を理解して最適な活用を考えましょう!