摩擦圧接と摩擦圧接加工メーカー

摩擦圧接とは

銅とアルミの摩擦圧接接合銅とアルミの摩擦圧接接合 摩擦圧接の様子摩擦圧接の様子

摩擦圧接(friction welding)とは、2つの部品を高速で回転させ、接触部分に圧力をかけて発生する摩擦熱によって部品同士を接合する接合技術の一種です。部品同士の摩擦によって生成された熱で材料自体が塑性変形し、部品同士が結合されます。

金属が主流ですが、樹脂などでも摩擦圧接が可能です。また、同種の材料だけでなく、異種材料を接合できることも大きな特徴です。

摩擦圧接の仕組み

動画提供:大橋鉄工様

上記のように2つの材料を回転させながら強く押し付けることで接合する技術です。回転させますので、主にシャフトなどの丸棒などの材料の接合に使われますが、片方は回転させなくても接合できるため、異型の接合も可能です。ただし、形状は限られます。

摩擦圧接のメリット・デメリット

摩擦圧接のメリット

  1. 高い接合強度: 摩擦圧接は、高い接合強度を実現できるため、構造部品や機械要素に適しています。
  2. 材料の適用範囲: さまざまな金属やプラスチック同士を接合することができます。
  3. クリーンな接合: 摩擦圧接は、溶接時に大量の煙やガスを発生させないため、環境に優しいと言えます。
  4. 熱影響範囲が小さい: 摩擦圧接では、熱が局所的に発生するため、部品全体への熱影響が小さいです。これにより、部品の寸法安定性や機械的性質が維持されやすくなります。

摩擦圧接は、自動車、航空、鉄道などの産業で広く利用されており、高い品質と信頼性が求められる接合部品に適しています。

摩擦圧接のデメリット

  1. 形状制限: 摩擦圧接は、主に円筒形状や平面状の部品に適しており、複雑な形状や大きなサイズの部品に対しては制限があります。
  2. 接合面の整合性: 摩擦圧接では、接合面の整合性が重要です。接合面が不規則だと、接合強度に影響を与える可能性があります。
  3. 設備投資: 摩擦圧接には専用の設備が必要であり、初期投資が高くなる場合があります。

これらのデメリットを考慮しながら、摩擦圧接が適切な接合方法であるかを検討することが重要です。しかし、正しい設定と適切な部品形状で使用された場合、摩擦圧接は高品質で強力な接合を提供できる技術です。

異種材料の接合が可能

摩擦圧接の大きな特徴が、異種材料を接合できることです。しかも接合部の強度が高く、低コストで接合できます。

ニッケル+アルミの摩擦圧接ニッケル+アルミの摩擦圧接 チタン+耐熱鋼の摩擦圧接チタン+耐熱鋼の摩擦圧接

摩擦圧接の精度

摩擦圧接における精度は、適切なプロセス条件下で非常に高いと言えます。ただし、精度は以下の要素に依存します。

  1. 材料の選択: 使用される材料の特性によって、摩擦圧接の精度が変化します。異なる材料同士の摩擦圧接では、互換性が重要で、最適な条件を選択することが求められます。
  2. 接合面の整合性: 接合面が平坦で整った場合、摩擦圧接の精度は向上します。また、接合面の不整合が接合強度や品質に影響を与えることがあります。
  3. 摩擦圧接パラメータ: 摩擦圧接の精度は、適切な圧力、回転速度、接合時間などのパラメータ設定に依存します。これらのパラメータが最適化された場合、高品質で精度の高い接合が可能です。
  4. 操作スキル: 熟練した技術者が適切なパラメータ設定を行い、摩擦圧接プロセスを適切に制御することで、精度が向上します。
  5. オートメーション: 摩擦圧接はオートメーションに適しており、自動化されたプロセスは、一貫性のある品質と精度を提供できます。

適切な条件下で行われる摩擦圧接は、高い精度を実現できるため、構造部品や機械要素など、高品質と信頼性が求められる接合部品に適しています。ただし、材料選択やプロセス条件の最適化が重要であるため、これらの要素を慎重に検討することが必要です。

摩擦圧接の用途

摩擦圧接は、さまざまな産業分野で幅広い用途があります。主な用途は以下の通りです。

  1. 自動車産業: エンジン部品、シャフト、トランスミッション部品、サスペンションコンポーネントなどの接合に使用されます。
  2. 航空宇宙産業: タービンディスク、エンジン部品、翼や胴体の構造部品の接合に使用されます。
  3. 鉄道産業: 車輪や軸受けの接合、鉄道車両の構造部品の接合に使用されます。
  4. 石油・ガス産業: パイプラインやドリルパイプの接合、プレッシャーベッセルの製造に使用されます。
  5. 電気・電子産業: 電気伝導部品やバスバーの接合、電池端子の製造に使用されます。
  6. 建築・建設産業: 構造鋼や鉄筋の接合に使用されます。
  7. 造船産業: 船舶の構造部品やプロペラシャフトの接合に使用されます。

これらの用途に加えて、摩擦圧接は金属やプラスチック材料の接合を行う際に、異種材料間の接合や、従来の溶接方法では困難だった材料の接合にも利用されます。摩擦圧接は、高い接合強度と精度を実現するため、高品質と信頼性が求められる部品に適しています。

摩擦圧接加工メーカー

大橋鉄工 滋賀県長浜市

光工業株式会社 愛知県西尾市

株式会社TODATEC 静岡県沼津市

株式会社オーテック 群馬県伊勢崎市

東洋摩擦圧接工業株式会社 大阪市

精密工業株式会社 大阪市

松井鋼材株式会社 大阪市

株式会社清明エンジニアリング 大阪府河内長野市

摩擦圧接機メーカー

イヅミ工業株式会社  愛知県大府市

株式会社北川鉄工所 広島県府中市

KUKA Japan株式会社 神奈川県横浜市